日本社会福祉学会関東部会

地域での対人援助における援助空白の意義―地域福祉コーディネーター活動記録の計量分析―


 上西 一貴 (東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科 社会福祉学専攻 博士後期課程)


 抄録

 地域での対人援助では中断と再開がみられる.本稿ではケースにおける中断から再開までの期間を援助空白として,援助空白の前後の差異,すなわち中断前と再開後の差異について計量分析により把握し,地域での対人援助の構造と援助空白の意義を検討することを目的とした.分析の結果,(1)361 日以上の援助空白の前後では援助の行為とそれを引き起こす援助する理由に差異があること,(2)援助者とクライエントもしくはケース関係者との援助関係は援助空白の間も継続していること,(3)クライエントの状態・状況が再び悪化したとき,または客観的には否定的な状態・状況におかれていないがクライエントが自身の状態・状況を「よりよくなりたい」と認識したとき援助は再開することが明らかになった.これらの結果から,地域での対人援助における長期間の援助空白は,質的に異なる中断前と再開後の援助を1つのものとして連結させていることを議論した.

Key Words:地域を基盤としたソーシャルワーク,対人援助,援助空白,援助記録,計量テキスト分析

社会福祉学評論(21):91-103、2021


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