日本社会福祉学会関東部会

社会的養護における人材育成の課題―A県における児童相談所および社会的養護施設専門職の職場環境を中心に―


 小林 理・新保 幸男 (東海大学健康学部)


 抄録

 本研究は,社会的養護分野(児童養護施設等の施設と児童相談所)における常勤専門職の専門性と職場環境の自己評価を通じて,職場環境の実態を把握し,人材育成の課題を考察することを目的とした。方法は,A 県の社会的養護分野の機関および施設を対象として,無記名自記式構造化調査票を用いた郵送調査を実施した。分析は,人材育成の課題について,児童相談所とその他の施設系種別の違いに焦点を当てながら,①専門性の自己評価,②スーパービジョン等の職場環境の現状についての回答結果を統計的に解析した。人材育成の課題は,経験や年齢,種別や職種によりニーズが異なる。特に,専門性の形成や,職場環境の課題について,「35~45 歳(経験~5 年)」,「45 歳~(経験~5 年)」のいわゆる「転職組」を含む群のニーズが高いことがわかった。

Key Words:社会的養護,人材育成,専門性の形成,職場環境,スーパービジョン

社会福祉学評論(22):52-65、2021


コンテンツ一覧へ移動