日本社会福祉学会関東部会

精神障害者を主とする就労継続支援B型事業所における利用者状態と支援時間の関係性についての実態把握


 重田 史絵・吉田 光爾・高橋 秀人 (立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科)


 抄録

 事業所が利用者の状態に応じた適切な支援を提供しているか把握することは,支援を振り返る意味でも重要である.本研究では,どのような状態の利用者に対してどのような支援がどれくらいの時間提供されているのか,利用者状態と支援の関係性について実態把握することを目的とした.方法は,精神障害者を主とするB型事業所利用者に対する支援内容別支援時間を測定し,利用者状態(利用期間,障害者手帳取得,GAF,WHODAS2.0)の違いによる平均支援時間を比較し,群間比較による検定を行った.結果,B型事業所全体では,就労支援と生活支援がほぼ同時間提供されていた.そして,GAF(70点)やWHODAS2.0(30点)という利用者の機能レベルの平均値に対して,平均値より高い利用者には就労支援の時間が,低い利用者には生活支援の時間が多く提供されている支援の実態を把握した.

Key Words:WHODAS2.0,GAF,就労継続支援B型事業所,機能レベル,支援時間

社会福祉学評論(23):46-60、2022


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