市町村地域福祉計画における 性的マイノリティに関する研究
加藤 慶 (東京通信大学人間福祉学部人間福祉学科)
抄録
本研究は,日本政府が「性的指向,性自認」ないし「性的マイノリティに関する正しい
理解を促進するとともに,社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進める」こと,さらに
は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性について理解増進法に基づき各種施
策を推進する」ことに関し,(1)わが国の現状について市町村地域福祉計画をもとに現状を明
らかとし,(2)その課題を検討し,(3)市町村地域福祉計画を策定するにあたっての課題対
応策を検討することを目的としている.日本の全 1,747 市町村(2024 年度現在)の市町村地
域福祉計画を対象に性的マイノリティに関するキーワードを記載する市町村を調査した結果,
258 市町村が記載していることを明らかとした.また,当該市町村の地域福祉計画の内容を
質的分析した結果,記載される内容は(1)支援資源開発型,(2)理解促進型,(3)課題言及
型,(4)間接的言及型の 4 つに分類されることを明らかとした.
